突然ですが質問です!
みなさんは「飛行機がなぜ飛ぶのか説明ができますか?」
そんなの専門家じゃないのでわかりませんよね。
では、質問を変えます。
「飛行機が飛ぶしくみは完全に解明されていると思いますか」
そんなの専門家だったら当然わかるじゃんと思うでしょうか。
ところがどっこい、実はこの質問への答えは必ずしも「YES」ではないのです。
果たして、どういうことなのでしょうか。
飛行機が飛ぶ仕組み
改めましてこんにちは、MASAKIです。
今日は私が高校時代に友人に薦められて読んで、最近ふと気になって再読した本を紹介します。
その本は『99.9%は仮説 思いこみで判断しないための生き方』です。
この記事冒頭の「飛行機についての質問」はこの本の導入部分で使われている質問です。
著者の竹内氏(以下、竹内さん)曰く、飛行機の飛ぶ仕組みは実は専門家の間でも解明されていないのだといいます。
少し難しい話になりますが、よくある「ベルヌーイの定理」による説明も実は不完全で、その他の理論も「表面上は科学的な説明がなされているようにみえても、実のところ、一般に知られている『飛行機が飛ぶ仕組み』には『科学的根拠』が全くない」のだそうです。
これが本当なら驚きですよね。
だって、大空にはびゅんびゅん飛行機が飛んでいるのに!
解明されていなくても、飛ぶという事実があるから飛ぶんだ!ということでしょうか笑
ちょっと恐ろしいですが、実のところ、こうした事例は枚挙にいとまがないんです。
例えば、「二酸化炭素が増えたら温室効果で地球が温暖化する」というのもあくまで「仮説」であり、「プレートのズレにより地震が起きる」のも1つの「仮説」にすぎないんです。
世の中全部仮説にすぎない
竹内さんは何を言いたいのでしょうか。
それは「世の中全部仮説にすぎない」ということです。
竹内さんの主張を私なりに端的にまとめると次の2つです。
①「世の中で常識と言われている考え方は、仮説にすぎなくて、場所や時代によって変わるものである」
だから
②「常識(受け入れられている仮説)を鵜呑みにせず、いろんな仮説を比べて判断できる頭の柔らかさが大事だよ」
ということです。
「白い仮説から黒い仮説」への転換
歴史を見れば、様々な仮説が入れ替わり立ち代わりしてきました。
竹内さんはこの仮説が変遷することを次のような言い回しで表現しています。
「白い仮説」から「黒い仮説」への転換
ここでいう「白い仮説」とは「誰もが信じていて実験などで何度でも実験されている仮説」であり、「黒い仮説」とは「限りなく嘘に近かったり、観察や実験とあわない仮説」のこと。
白い仮説がある日ひっくり返り、黒い仮説が白い仮説となることがあるのです。
本の中でも紹介されているので、詳しくは読んでいただきたいのですが、コペルニクスの地動説やアインシュタインの相対性理論を思い浮かべて頂ければ理解しやすいと思います。
余談ですが、この話を読んで、個人的に連想したのは、世間を騒がせた「STAP細胞」事件です。流れを追うとこんな感じ。
①白い仮説期間…当初、小保方さんは「STAP細胞」の発見者として、メディアに注目され、ノーベル賞受賞確実と持ち上げられる。
②黒い仮説期間…しかし、「再現性がない」「論文作成に不備がある」などの理由で、メディアから叩かれ、業界からも追放されてしまいました。
③グレーな仮説期間数年後、「他国の研究者がSTAP細胞の作製に成功」という報道が複数あり、「STAP細胞」の再評価(グレーな仮説)
「白」→「黒」→「グレー」という構造です。
「疑う」ことに心理的ハードルがある人へ
以上、簡単に本のポイントと個人的に気になったポイントを紹介してみました。
実際に読んでみて頂ければわかるのですが、本の中では結構「疑う」ということが大事なこととして述べられれています。
この「疑う」という言葉は、「常識や人のいうことを鵜呑みにせず、自分の頭で考える」というような意味合いです。
しかし、「疑う」という言葉は、一部の人にとっては受け入れがたい響きを持っているようです。
特に優しい性格の人や真面目な人にはそういう傾向が強いような気がします。
というのも私が学生時代、この本の内容をまわりの人に話してみたところ、私の説明の仕方が悪かったのかこんな反応が返ってきたことがありました。
「言ってることはわかるけど、なんでも疑ってかかるのはよくないよ」
「なんか性格悪くなりそう」
「疑うこと」=「自分の人間性が悪くなる」という受け取られ方でした。
「ちゃうねんそういうことじゃないねん」と思いつつ、そう考えてしまう相手の気持ちも理解はできました。また、上手く伝えられない自分にもどかしさを感じました。
10年近く経ちましたが、今、そのときの友人に改めて伝えるとするとこういう言い回しになるかな~なんてかんがえました。
「何事もゼロベースで考えることが大事」
「知的好奇心を大事にする」
「わかることとわからないことを分ける知的正直さが大事」
優しい性格の人、まじめな性格の人にはこんな表現の方が伝わりやすいかもしれません。
「99.9%は仮説」をアクションに移す。
本を読んで、「面白かった~」で終わらせてもいいんですが、実際の人生にいかさなきゃもったいないです。では、どうやっていかせばいいのか。
話は大きくなりますが、世界は急激に変化しています。
最近は「新型コロナウィルス」の感染拡大により、世の中が一変しました。
「満員電車に乗って、出社しなければいけなかったはずが、リモートワークで事足りる」ことがわかったり、「夫の仕事姿が想像よりもかっこよく、妻の家事・育児が想像よりも大変だという」ことに気づいたり…
大小差はあれど今までの「常識」が急速に崩壊しています。
コロナの流行それ自体は決して喜ばれるべきことではありませんが、奇しくも「世の中の99.9%は絶対のものではなく、仮説でできていたんだということ」を気づかせてくれました。
今後、社会のあり方、人の生き方は大きく変わると思います。
しかし、その変化もコロナ騒動が落ち着くと新たな常識として、皆の日常に溶け込んでいきます。
その時に大事なことこそ「仮説」を立てることだと思います。
単純な話、
仕事でも、この資料は定例で作成しているけど、本当に必要なのかとか
恋愛でも、いつもこの六本木デートだけど、実は上野あたりのほうがいいんじゃないか?とか笑
そういうことでも十分だと思います。
日常に流されず、自分の頭で考えて動く。
言うは易し、行うは難しですが、これこそ人生を豊かにする行動だと思った次第です。
以上、まとめると、世の中は意外と解明されていないことが多く、常識は場所や時代によって移り変わる。だから、思考停止するのではなく、知的好奇心を持って、自分なりの仮説を考えて行動に移していくことがきっと大事という話でした。
読んでいただいてありがとうございました。
※なお、飛行機の仕組みの話は厳密には専門家の間でかなり議論されていますし、ネットでもいろいろ記事があるので興味のある方はググってみてくださいね。