【落語初心者の方必読】現役落語家が説く『教養としての落語』のすすめ

こんにちは、MASAKIです。

今日紹介する本は『教養としての落語』(立川談慶著)です。

 


皆さんの中には、落語について「興味はあるけど難しそう」「何から始めていいかわからない」という方もいるのではないでしょうか。

実際、何度か落語を聞いたことがあっても、言葉が難しかったり、話が理解できなかったりで脱落してしまった方を知っています。


そんな落語初心者の方にオススメの書籍が『教養としての落語』です。

この本を読めば、落語についての基本的な知識を身につけることができるので、落語に対する理解が深まり、より落語を楽しむことができます。

著者紹介:立川談慶師匠

書籍の紹介に入る前に、著者立川談慶さんの経歴を紹介します。

 慶應義塾大学経済学部を卒業後、株式会社ワコールに入社し、3年間の社会人経験を経た後に立川談志の弟子となり、落語家になった方です。

 落語家というと一見アウトローのイメージがありますが、慶応卒、大手企業出身の落語家という変わった経歴をお持ちの落語家です。

 ↓こちらの方です。


立川談慶の「ビジネスに役立つ落語」#01「蒟蒻問答」

 

「教養としての落語」とは

「教養としての落語」を味わってもらうために本書内の「一眼国」という噺を紹介したいと思います。

要約すると、こんな感じです。

「一つ目の人々が住む国があると聞きつけた男が、見世物にするために一眼国を見つけ出します。一つ目の子どもをつかまえようとするのですが、逆にその男が現地の人に捕らえられてしまうのです。そして、こう言われす。
 「こいつは珍しい、二つ目をしている。見世物小屋に売り飛ばせ」」


いかがですか。
一見恐ろしい噺ですが、この噺が伝えようとしているのは、「自分たちが抱いている価値観は、あくまでも自分たちのエリアでしか通用しない」という真理です。


落語は笑いを通して、ときにハッとするような智恵をもたらしてくれます。

どうでしょうか。
もっともっと落語を知りたくなってきたでしょうか。

そんな方はぜひ『教養としての落語』を手に取っていただきたいのですが、簡単に本書のポイントを紹介していきます。

オススメポイント①「落語」の基礎知識が学べる

本書では落語の歴史や落語に関する基礎知識を学ぶことができます。
たとえば、「古典落語新作落語」「江戸落語上方落語」「落語家の出世について」「落語と他芸能(歌舞伎・能・狂言・講談)の比較」についてです。これらについて現役の落語家が解説しているのです。

特に落語と講談の比較が面白かったです。

ドラマ化などもされてる「忠臣蔵」。講談には出てきますが、落語には出てきません。
なぜでしょうか。その理由はぜひ読んで確かめてみてください笑

オススメポイント②噺の基本構造

二つめのオススメポイントは、落語の噺の基本構造について学べることです。

落語の基本構造は下記です。

<落語の基本構造>
 枕→本題→オチ

枕は前置き、本題は噺の中身…などなんとなくイメージはできるとは思うのですが、
本書では「枕の役割」や「オチの分類」について言語化されています。

これを頭に入れて聞くのと知らずに聞くのでは、噺の理解度が変わってきます。

オススメポイント③名作落語の要約

三つめのオススメポイントは名作落語の要約が読めることです。

落語に興味を持ったはいいが、何から聞き始めればいいかわからない、または、一度聞く前に概要を把握しておきたいという方の為に談慶さんがいくつかの噺を紹介してくれています。

例えば、オーソドックスな「寿限無」「まんじゅうこわい」「芝浜」などに加え、ビジネスにも通ずる「ねずみ穴」や「はてなの茶碗」などです。

それぞれの噺について、談慶さんが数ページで要約してくれているので、噺を理解しやすいです。

オススメポイント④ 知っておきたいレジェンド落語家

立川談志柳家小さん古今亭志ん生古今亭志ん朝、桂文樂

落語について詳しく知らないという方でも1人くらいは名前を聞いたことがあるでしょう。
そう。彼らは落語会のレジェンドです。
この本ではどんな具合にレジェンドなのか、説明してくれています。


以上、本書の紹介でした。

感想

私は今までも落語がそれなりに好きで、ちょくちょく噺を聞いてきました。
しかし、正直、詳しくはなかったし、なんとなくモヤがかかっている部分がありました。

今回、落語について体系的な書籍を読んでみたことで、いままで知らなかったこと、なんとなくわかってはいたが言語化できていなかったことを学ぶことができ、落語に対する理解が一段と深まりました。

 

落語をかじったことがある方はもちろん、これから落語初心者の方にもオススメの書籍です。


読んでいただきありがとございました。