「M 愛すべき人がいて」は暴露本なのか?
「M 愛すべき人がいて」という書籍をご存知でしょうか。
ここ最近、「平成の歌姫・浜崎あゆみが暴露本を出した」ということで、ニュースやSNSで話題になっています。
というわけで、ミーハーな僕は、TSUTAYAで早速購入し、読んでみました。
読んでみた結果、事前に予想していたネガティブな印象ではなく、ポジティブな印象が残り、この本は、「単なる暴露本」ではないと感じました。
むしろ、一時代を築いたスターの誕生と活躍の背景を当事者目線で切り取った本であり、とても胸が詰まり、切ない本なのだと感じました。
そして、何故、浜崎あゆみさんの曲があれほど大ヒットしたのか、その理由がわかるような一冊です。この本を読むと、何故か浜崎あゆみさんの曲を聴きなおしたくなりました。
(出版した側の意図にまんまとハマっているというのは承知の上です。ただ、それすらも心地よいです笑)
テレビやツイッターでは、「暴露本だ」とか「あゆの歌を聴く気が失せた」といった反応であふれかえっているので、この記事は、そういった世間の反応とは別の切り口の内容となりますので、ご容赦ください。
「M 愛すべき人がいて」の著者は誰?出版の背景は?
勘違いされている方も多いかもしれませんが、この本の著者は浜崎あゆみさんではありません。
作家の小松成美さんという方が取材をもとに、「事実をもとにしたフィクション」という体で、執筆されています。
この本の出版の背景として、版元の幻冬舎社長・見城徹さんはアプリ「755 」で下記のように明かしています。
「去年の8月1日のこの時間、サイバーエージェントの藤田から浜崎あゆみ、生涯最大の恋物語の企画を電話でもちかけられた」
「藤田はその時、松浦勝人と浜崎あゆみと3人で西麻布で飲んでいたのだ。」
すべてはここからスタートしたようです。
「M 愛すべき人がいて」が暴露本ではない理由。
巷では、「浜崎あゆみが過去のMとの恋愛を暴露した」と騒がれています。
しかし、出版の背景からもわかるように、M本人も了承のうえで、出版されたことも分かると思います。
と、いいますか、この本の書影はM氏が撮影したようですから、むしろ出版に乗り気であったことが伺えます。
「M 愛すべき人がいて」を読む醍醐味とは
この本を読んでいて、感じることは「恋の力はどれほど大きな力を秘めているのか」
ということです。
このような言い方をすると、とても陳腐に聞こえてしまいますが、本当にそうなのです。
この本では、浜崎あゆみさんの書いた歌詞がすべてMへの切なくなるほど一途なメッセージであったことが明かされます。
きっと、それほどに純粋なメッセージだったからこそ、当時、多くの人の心に浜崎あゆみさんの歌が響いたのだと思います。
本当に、歌詞と現実が交錯するとこれほどのパワーが生まれるのかと感動しました。
本の中では、歌詞とその歌詞が書かれた背景がセットになって紡がれています。
そのため、正直、浜崎あゆみさんの歌に特に思い入れがなかった僕でも、改めて歌を聴きなおして、感傷に浸ってしまいました。
読んでみて思ったこととして、この本を「暴露本」と言っている人は、ほとんどがこの本を実際には読んでいないのではないでしょうか。
また、「歌が死んだ」とか「聴く気が失せた」と言う方々もいます。そう感じる方々がいるのも事実だと思いますし、否定はしません。
しかし、そもそも、歌手が歌詞を書く際には、何らかの経験をもとに書いているはずですし、少なくとも僕にとっては、この本を読んだことによって浜崎あゆみさんの曲に生命が吹き込まれたように感じました。
(もともと僕が浜崎あゆみさんに興味が無かったからかもしれませんが…)
その意味で、この本を実際に読んだ人と読んでいない人ではだいぶ違う印象を持つのではないかと思います。
僕は、この本を読んでみて、事前のイメージと大分違う感想を持ったので、記事にしてみました。読んでいただきありがとうございました。
【追記】
本書『M 愛すべき人がいて』は、2020年4月からテレビ朝日でドラマ化され、SNS上で話題となっています。
当初からドラマ化の噂はあったものの、あんなテイストでつくられるとは!笑
まさに予想を裏切られました。
「ABEMA」などでアーカイブを見られるそうですので、興味のある方はぜひ!
(https://abema.tv/video/title/87-304)